冷たい舌

「一人が吸わないと、いい子ぶりやがってとか言われるんだよな。

 和尚は元々あんまり人とつるむような男じゃないからあれだけど。

 でも、立場悪くなったとは思うよ。

 吸わない奴が居るとチクられそうで、みんな厭がるんだよな。あいつ、酒も飲みたがらないし」

 透子は唇を噛み締めた。

「透子ちゃん?」

 は、と透子は顔を上げる。
 斉上が心配そうに見ていた。

「なにか悪いこと言ったかな?」

 透子は首を振った。

 斉上は話題を変えるようにして言う。

「そういや、忠尚どうしてる?」
「最近、会ってないんですか?」

「うん。あれから連絡なくて。忙しいのかな」

 女の子になら、忙しいみたいだけどなあ、透子は冷めてきたチャイを飲み干した。

「その服、よく似合うよ」

 ふいに、目を細めてこちらを見た斉上はそんなことを言う。