そのとき、天満の中で、心の底に燻っていた薫子に対する恋情と公人に対する憎しみとが、一気に透子と和尚に向かって噴き上げた。
久しぶりに会った透子が、ますます薫子に似てきていたからかもしれない。
透子に愛される和尚に、薫子に愛される公人が、目の前の忠尚に、かつての自分が重なって見えた。
握りしめた拳に悪い汗が滲み出す。
もし、忠尚がいなければ、自分は存外素直に和尚に手を貸したかもしれない。
だが、透子に対して素直になれないばかりに遊び歩く忠尚は、昔の自分そのものだった。
どうせ、和尚は説得したところで、透子が嫌だと言う限り、手を出したりはしないだろう。
だけど、今は、そんなことを言ってる場合じゃないんだ。
そう自らに言い聞かせ、天満は拳を握りしめた。
忠尚の向こう、奥の部屋へと続く襖を振り返る。
久しぶりに会った透子が、ますます薫子に似てきていたからかもしれない。
透子に愛される和尚に、薫子に愛される公人が、目の前の忠尚に、かつての自分が重なって見えた。
握りしめた拳に悪い汗が滲み出す。
もし、忠尚がいなければ、自分は存外素直に和尚に手を貸したかもしれない。
だが、透子に対して素直になれないばかりに遊び歩く忠尚は、昔の自分そのものだった。
どうせ、和尚は説得したところで、透子が嫌だと言う限り、手を出したりはしないだろう。
だけど、今は、そんなことを言ってる場合じゃないんだ。
そう自らに言い聞かせ、天満は拳を握りしめた。
忠尚の向こう、奥の部屋へと続く襖を振り返る。



