冷たい舌

「……より大きな力をもって、ですか?」

 さあ? と透子は笑う。

 またあの顔だった。

 この透子の側に居るのは危険だ。
 なんとなくそう思う。

 正面から見つめられたらどんな男でも捕らえられてしまう。

 そんな気がした。

 それにしても……銅鏡だぞ。

 普通の鏡じゃないんだ。こんな簡単に割れるものなのか?

 膝をつき、春日とともに破片を集めていた透子は、すべてを祭壇の上に置き、立ち上がる。

「さ、おじいちゃんに報告しよ。

 ちょっと取り替えるの早すぎますもんね。一応、謝っとかなきゃ。

 行きましょう? 春日さん。
 外の山車、説明しますよ」

 いつもの顔でそう微笑んで、透子は明るい外の光に踏み出した。

 春日は、ほっとしながら、それに頷く。