冷たい舌

「そうじゃなくて。寺に生まれても、和尚も忠尚も神道系の人間だと思うんです。

 なんていうか、持って生まれた魂の色とでもいうか」

 力の質かなあ、と呟くと、
「つまり、僕は貴方がたとは違うということですね」
と拗ねたように言った。

 ああ、そうじゃなくてっ、と慌てて手を振る。

「面白いんですよ、貴方を見ていると。なんというか、すべてにおいて、和尚たちと解釈が違うような気がして。

 どんな問題も、今までなかった視点から切り込んでくれそうで」

 透子はそこで、ふと言葉を止め、もっとこんな話したかったですね、と微笑みかける。

 春日は照れたように、
「じゃあすればいいじゃないですか」
と言った。

 透子はただ笑みだけを返した。

「私ね、形式をお堅く守るのが嫌いなんですよ。

 なんでも形式を守れば神が言うことを聞いてくれると思うのは、人間たちの傲慢だと思いませんか?」

 それも自分たちが勝手に決めた形式に過ぎないのだし、と言う横から、傲慢? と春日が問うた。

 そう、と頷く。