冷たい舌

 



「……春日さん?」
 ぱちくりと透子は目をしばたいた。

 玄関を開けたら軒先に春日が立っていたからだ。

 外では氏子さんたちも交えて山車を引っ繰り返して点検している。

 みな、普段は仕事があるので、日曜の今日、やっておかなければならないからだ。

 春日も、ぽかんと透子を見ていた。

 あ、すみません……と春日は照れたように視線を落とす。

「初めて見たので、透子さんの巫女姿。さすが― よくお似合いですね」

「あ、ありがとうございます」
 改めて言われると照れる。

 二人は向き合ったまま、俯いていた。

「あの、今日は何かあるんですか?」
 頭を掻きながら言った春日の言葉に、え? と顔を上げる。