冷たい舌

 あっさりとばらされ、慌てて公人を振り返ろうとした透子は、頭を押えつけられる。

「こりゃ、透子!
 動くと崩れるじゃろうか。

 わしゃ、薫子ほどうまくないんじゃから」

「お、お祖父ちゃぁん、ひどおいっ」

 半泣きになる透子に公人は、なにがじゃい、と訊き返す。

 もう枯れた爺には、デリカシーってもんはないのか。

 いや、さっきの言動からすると、そう枯れてもないようだが。

 忠尚は赤くなって言った。

「え。あ、そうか。
 そうだったのか。

 はは。
 やっとわかったよ……って、いやその、まあ、別にいいんだけど」

 そんな忠尚を公人は呆れたように見る。

「何を動揺しとるんじゃ、お前は。
 町で見かけるたびに、違う女連れとるくせに」

 忠尚は慌てて手を振り叫ぶ。

「あ、あれはみんな友達だっ」

 ほほう、と言いながら、公人は頭に乗せる花を模した金の飾りを手に取る。

「お前は友達とああいうところに行くのか」

 ぎくりと忠尚が強張った。

 ……このばかっ。