冷たい舌

「そう。春日さん、ああいう祭具好きそうだったから、見せてあげようかと思って。

 それに、和尚一人で真面目にやると疲れるでしょ?

 春日さん、いい人だから、きっと手伝ってくれるよ。
 几帳面そうだしね」

 和尚はお盆を片手で持つと、懲らしめるように、透子の耳を引っ張った。

「お前が几帳面にやればいいんだよ」

「いたたた。
 わかったっ、わかったから放してよおっ」

「あっ。透子!
 春日さん、呼ばないの?」

 潤子は透子を引きずって廊下に向かう和尚越しに訴える。

 和尚は素っ気なく言った。

「結構です。
 間に合ってます」

「もうっ。
 和ちゃんっ、そんな妨害するんなら、ちゃんと透子をもらってよっ」

 後を追いかける潤子の言葉に、和尚は叫び返した。

「わかってますよっ」