冷たい舌

「私に対して言ってるわけじゃないわよ。
 装束に対して言ってるの」

「そうだよな。
 中身はもう価値ねえもんな。

 ああ、昔からなかったのか。
 俺達が知らなかっただけで」

「しつっこいわね、あんたも」
と言いかけた透子は、龍也の手に握られている子機に気がついた。

 そういえば、なんだかメロディが聞こえている。

「あんたそれ、保留にしてるんじゃないの?」

 おお、そうだった、と龍也はわざとらしく言い、透子に差し出した。

「春日さん。
 目茶苦茶待たせたから、もう切れてるかもしれねえけど」

 ぱっと弟の手から引ったくる。

「あんた、なんて失礼なことするのよ。
 もっ、もしもし?」

「あーあ、男と見ると目の色変えやがって」

「龍也っ!」