冷たい舌

 



 群青と紫の混ざり合った透明な空を背に、透子と忠尚は林の小道を歩いていた。

 さくさくと下草を踏みしめる音が静かな林に響く。

「ちゃんとおじさまに謝るのよ。今日の仕事すっぽかしちゃってごめんなさいって」

「どうせ、和尚がやってんだろ?」

 面倒くさそうに忠尚は言った。

「そうよ、かわいそうに。今また逆らえないもんだから」

 それで忙しいから、仕方なく透子が迎えに行くことを許したのだ。

 今までそんなこと頼まれたこともないのに。

「それは自業自得だろ。
 おいお前、ほんっとーに、なんにもなかったんだろうな」

「当たり前でしょ。私を信じてよ」

 そう言い切る透子に、うん、まあ……お前はな、と口の中で、もごもご言っている。