冷たい舌

 

 
 大騒動の今日が、なんと潔斎の初日であったことをようやく全員が思い出し、それぞれ納得しないながらも、散っていった。

 禊を済ませ、装束を身に着けた透子は、せっせと境内を掃いてた。

 別にこれで家族のお許しをもらおうというのではないが、いつもにもまして真面目にやる。

 熊手でザシザシと玉砂利の間に落ちている葉やゴミを掻き集めていると、拝殿の方から公人が呼ぶ声がした。

「なあに、お祖父ちゃんっ」

 嫌な予感がしながら、振り向くと欄干のところから、上機嫌の公人がこちらを見ていた。

「次は廊下の雑巾がけな。
 あー、ラクチンラクチン」

 透子は熊手を地面に突き立て、公人を見上げる。

「ちょっと、お祖父ちゃん調子に乗りすぎっ。

 潔斎って、心身を清めることでしょうっ?
 いつから掃除がメインになったのよっ」

「そうじゃ。
 透子、『身も心も』清めんとな。はっはっはっ」

 この腐れジジイがっ。