冷たい舌

「ちょっと待てっ。なんで、そこまで話が飛ぶんだ!

 お前、勝手に都合よく話進めてんじゃねえよっ」

 何故か龍也がそれに加勢する。

「俺知ってんだぞ、お前、透子に近づく男を全部追い払ってるだろう!

 中学んときだって、高校んときだって! 斉上さんだって結局、お前が追い払ったんだろ!」

 斉上さん? なんでそこに斉上さんが出てくるの?

「それがどうした。透子は龍神の巫女だぞ。おかしな男を近寄らせられるか」

「お前も都合のいいときだけ、透子を巫女にすんなよ。
 じゃあ、お前は透子に指一本、触れたことないのかよ!」

 そう問われて、和尚は瞬間、詰まった。
 龍也は言葉を選びながら、恐る恐る訊いてくる。

「お前、透子になんかしたこと、あるな?」

「……それがどうした」

「おっ、お前、開き直るなよ!」

「かかか、和ちゃん……?」
 いかん、親まで動揺している。

 慌てて、和尚の法衣の袖を引いたが、和尚は龍也と睨み合ったままだった。

「だから、責任取って結婚してやるよ、それでいいんだろ? シスコン龍也!

 お前も少しは、他所の女に目を向けろよっ」

「なんだとー!?」