冷たい舌

「なんだって―? お前、話の繋がりが見えないぞ」
 若いせいか、一番反応の速い龍也が問うた。

 和尚は、いつもの、しれっとした顔で言う。

「一応、傷物にしたんだろうから、俺が責任取ると言ってるんだ」

「傷物って……」

「評判に傷がついたろう。
 まあ。もともとこいつの評判なんてあってなきの如しだったがな。

 龍神の巫女様とは名ばかりで、派手なナリでカウンタックをぶっとばすし、いっつもちゃらちゃら男といるし―」

「……あんた一体、誰の味方なの?」

 和尚は一瞬首を傾げて、お前以外? と何故か疑問系で言った。

「まあ、詳しい話はまたにするとして、参拝の時間なんで」

 口を開けたままの両家の親族の前で、平気な顔で立ち上がると、
「行くぞ、透子」
と言う。

「あ、はいっ」
 条件反射で立ち上がってから、なんだかまるで結婚まで承諾したようだと思ったとき、忠尚が頭を押さえたまま叫んだ。