冷たい舌

 

 
 ばちっと目を覚ましたが、身体が硬くなっていて動けなかった。

 何かに抵抗するように握りしめた両手を顔の横に置いたまま。

 まるで寝返りの打てない赤子のようになっている自分がいた。

 暗い天井の白い模様を見ながら、夢を反芻する。

 まとわりつくあの鮮血の気持ち悪さが鮮明に身体に残っていた。

 大きく息をし、透子は、ゆっくりと起き上がる。

 身体を伝うものは透明な汗だけだと確認し、ちょっと息をついた。