冷たい舌

 こいつも結構複雑なのかなと思って見ていると、

「あっ、こらっ。みんな食うんじゃねえっ」

といつの間にか透子の手にあった自分のアイスを慌てて取り返している。

「お前、ほっそいくせに、こういうもんだけ、よく食うよなあ」

 あーでもね、と透子はプラスチックのちゃちなスプーンを振りながら言った。

「いつか食べた。こーんなお皿いっぱいの、ケーキとアイスとえっと、後なんだっけ。

 ともかく、ありとあらゆる洋風の甘いものが乗ってるセット!

 晩御飯代りに空きっ腹に食べたときばかりは、吐くかと思ったわ」

 男二人は聞いてるだけで、吐きそうになって、口許を押さえた。

「ああ、具合悪いんなら、私が運転してあげようか」

 結構だっ! と、忠尚はテーブルの上に置いておいたキイを透子に獲られないうちに掴んで立ち上がる。

「四車線道路を真横に突っ切るような車線変更をしなくなったら、運転させてやる」

「車居ないときはいいじゃない」

「そういう問題じゃねえだろ……。

 和尚、たまには運転しろよ。俺が飲んだときとか、この馬鹿が運転するって言い出さないように」

「俺が触ると、よく電気系統のものが壊れるのを忘れたのか?」

「……壊すんなら、カウンタックにしてくれ。

 親父、煩いから」