冷たい舌





 そうだ。昔から薫子は人が悪く、言い出したら聞かなくて、どっちが悪かろうが、相手をこてんぱんに叩き潰していた。

 透子なんかもう、やり返す気もなくて、はいはい、と聞き流していたようだが。

 ふいに和尚の胸に、長年しこっていた薫子への恨みの念が吹き上げてきた。

「あんの、くそババアッ!」

 その瞬間、パン、と薄い氷が割れて落ちるような音がした。

 反射的に閉じた瞼の裏に、ひとつの映像が見えてくる。