冷たい舌

 和尚は力を込めて、その蜘蛛の足のように細い指を透子の額にのめり込むほど、突っ込んだ。

「いっ、痛いっ」
「じっとしてろっ」

 額の梵字が揺らめいて、和尚を押し返そうとする。
 揺らぐそれは、CGの画面のようだった。

 額に異界があるみたいだ。

 そう思った途端、何処かで嗅いだことのある匂いが鼻をついた。

 実際に匂ったのではない。
 その呪法に触れているうちに伝わってきたのだ。

 思い出した!
 ピリリとしたこの匂い。

 丁子の強く混ざったこの香を使って呪法を使うのが得意な……!