冷たい舌

 



 和尚は前々から気になっていた透子の額を凝視していた。

 絶対、此処に何かある……。

 額の中央。第三の眼のある場所。

 そこがまるでサングラスをかけたように、薄い色がかかって見えた。

「……これは」
「和尚?」

 気配に気づき、顔を上げた透子の手を押さえ、前髪を払う。

 額を見据え、ゆっくりと心眼を開いた。

 色、違う。薄墨で書いたような……これは梵字?

 封じてるのは『力』か?

 それとも、やはり『記憶』なのか?

「いやよ、駄目っ。和尚っ!」

 前髪を押さえていた片方の手が、ぱしっ、と額に弾かれる。

 電気が走ったみたいだった。

 和尚は痺れた手を押さえ、額の梵字を睨んだ。

「上等じゃねえかっ」

「ちょっと、人の額に向かって、変なやる気ださないでよっ」