冷たい舌

 和尚もたぶん、赤くなっていたのではないかと思うが、もともと夕陽のせいで、辺り一面、薄桃色に染まっていたので、よくわからなかった。

 こういう年頃の男の子って、気持ち悪いとか思うんじゃないのかなあと不安に思いながら、俯く透子に和尚は言った。

「じゃあ、余計歩けないだろ。いいから、乗れ」

 和尚の背で、夜へと落ちていく空を見ながら透子は小さな声で言った。

 誰にも言わないでね。

 わかってるよ―

 今ほど体格がよくなかった和尚は、透子を背負うと少し頼りなくて。

 それでも透子は、和尚のその柔らかな髪に頬を寄せた。

 空には白く輝く一番星。