冷たい舌

「か、和尚っ。はなはな放してっ」
 だが、和尚は聞いてない。

 彼から顔を逸らそうとした透子はバランスを崩した。

「透子!」
 淵に向かって傾いだ透子の身体を、和尚が抱き止める。

 和尚は顔をしかめて言った。

「お前、十年に一度は落ちないと気がすまないのか?」

 その言葉に、透子は赤くなる。