冷たい舌

「透子。その気がないんなら、和尚にも優しくするな。

 あいつは口に出さない分、想いが強そうで……可哀相だ」

 透子はそんな龍也から目を逸らすようにして、銀色に光る御神体を見上げる。

 そんなことないよ、龍也。

 もう― そんなことはないんだ……。

 透子は己れの緋袴を握り締める。

 赤い袴は既婚者の証。

 永遠の、神の花嫁―