それはバイトを始めて少したった頃。
いつものようにバイトが終わり帰ろうとしていると、休憩室のソファに座り何かを読んでいるじんさんの姿が目に入った。

「お疲れ様です」

すこし気になった私は、そう声をかけながら休憩室に入った。

「あ、お疲れ様!」

優しい笑顔と声でそう返事をしてくれるじんさん。

「何を読まれてるんですか?」

私がそう聞くと持っていた本を私に渡してきた。タイトルを読むと…

「花言葉の本…?」

「うん、このカフェ毎週違うお花をテーブルに飾ってるでしょ?あのお花、実は俺が選んでるの。」