姫と年下王子たち

それが終わったら、邪魔にならないようにすぐに帰ろう。



俺はカフェに入ろうと、ドアノブに手を伸ばした。


そのとき…。


「…………」


思わず、ドアの前で立ち止まった。


なぜなら、俺の視線の先に映る由香里の席に…。

1人の男が座ったからだ。


年齢は、おそらく20代半ば。

黒のハットを被った知らない男…。


…違うっ。


俺は、あの男を知っている。