「…いっ!………唯っ!」

静かに手首に、カミソリを当てた。

「唯っ!!」


カミソリが床に転がった、

だけど、訪れるはずの痛みが来なくて、

私は、理解した。


あぁ、カミソリは、叩き落とされたんだ。


その代わり、私の体を、

ぬくもりが包んでいた。





「唯、死ぬな。」




静かに、だけど力強く、震える声が、

私の耳の鼓膜に響いた。