「俺は..お前のことも忘れるかもしんねぇんだよ..」




抱き締められた腕の強さから伝わってくる



智也の不安..




「忘れたら、何回だって思い出させるっ!何十回でも..何百回でも..」




忘れる暇なんてないくらい



智也のそばにいたいの..





「..お前の嬉しかったことも..悲しかったことも..二人の思い出も何もかも!全部、忘れちまうかもしんねぇんだよ!」




智也の言葉に



涙は更に溢れて、止まらなかった





今までに聞いたことのない




悲しい悲しい、叫び..







「..こんなに好きなのに」






ねぇ、どうして






「忘れる時がくんのが、こえーんだよ..っ」






どうして智也なの?―








「..やっぱり..さっきの言葉、撤回する」





瑠奈の言葉に、智也は顔をあげて、瑠奈を見つめた




止まらない涙を拭っても、もう意味はない





車の外からは、明るい笑い声が聞こえていた