お風呂からあがると、お互いの髪をドライヤーで乾かしあう


髪や体から漂う、同じ匂いが心地よい



「そういえばさ..」


「ん?なに?」


瑠奈はドライヤーを止めて、何かを言いかけた智也を覗きこむ



「..いや。なんでもねぇよ」


智也は少し笑って、半乾きの瑠奈の髪を撫でる


「ふーん?変な智也っ」


そのいつもと変わらない笑顔に、言いかけた言葉なんて気にも止めなかった



「あぁ〜疲れたっ」


智也はベッドの上に倒れ込むようにして寝転がる


瑠奈も智也を抱き枕のように抱き締めて、横に寝転がった



静かな部屋に、時計の音だけがやけに響く



あんなに眠ったのに、智也が横にいると居心地がよくて、瞼が重くなる



おやすみ..



声にならなくて、心の中で呟いた




ん..?



少しして、唇に暖かい感触を感じた



目を薄ら開けると、目の前には智也



停止していた脳がキスされたことに気付くのに、数秒の時間がかかった