「俺が守ってやるって言ったのに..ごめんな」



耳元で聞こえる、智也の声が悲しかった





瑠奈は、また一つ





智也の心に傷をつけてしまった..






「ほんとにごめんっ!」



みんなの元に戻ると、真二が瑠奈と智也の前で土下座した



まだ赤くなってる頬が痛々しい



「もう二度とすんじゃねぇぞ」


智也は何事もなかったように笑いながら、真二の頭を小突いた




智也はすごいね..




「あいつはすごいよ」



心の中を読まれたようで、びっくりして振り返る



そこには、雅也が立っていた



「俺だったら、許せねぇもん」



二人の視線の先には、真二に技をかけて笑っている智也



「優しすぎるから、俺が説教してきてやる」



そう言って、雅也は智也達の元に走り出した



智也の周りには、自然と人が集まっていく






本当なら、瑠奈も真二を殴りたい





瑠奈のためなんかじゃなくて





智也のために..





でも、智也が真二を許すなら―





瑠奈も許す






智也の笑顔は





瑠奈が守るからね..