携帯を見ると、前にもかかってきていた知らない番号だった


通話ボタンを押す


「瑠奈?お前、人の電話シカトすんなよなー!」


懐かしい男の声


「あ、携帯変えたからわかんねぇか!浜田だよ」


「浜田先輩っ!?うわぁー久しぶりじゃん!」


浜田先輩は、智也と初めて会った時にいた瑠奈の先輩


「まぁ、竜達に色々聞いたけど..元気だったか?」


珍しく優しいその口調に、思わず笑みがこぼれる


「うん、元気だよ!」


しばらく二人は昔話に花を咲かせて、盛り上がっていた



「ねぇ..智也は..元気してる?」



ずっと気になっていた



これだけのことを聞くのにも、ギュッと胸が締め付けられる


「..今、瑠奈には新しい男も新しい生活もある。智也のことは、聞かないほうがお前のためだ」


その言葉に、何故か嫌な予感がした



浜田先輩の言う通り、聞かないほうがいいのかもしれない



「それでも..知りたいの」



頭で答えが出る前に、瑠奈の心が答えていた..










この時の選択が、全てを変えることになるなんて..









わかっていたなら、どうしていただろう..