『…やっと会えたな東条 魁!!』


標的を目の前にすると感情を抑えられない。


「あぁ?誰だテメェ…。」


一歩また一歩と東条に近付く。


『忘れたのか、この場所で何があったのか。』


「あー…昔ここでガキが死んだなぁ?
まぁ、俺が殺ったんじゃねぇし。

実に楽しかったぜぇ?」


『…楽しかった?』


「あぁ、今日も楽しめそうだ。」


『それはこっちの台詞だ。
俺はお前とケリ付ける為に来たんだから。』


「ケリだと?」


意味が分からないと言いたいようだ。


『この顔を忘れたとは言わせない。』


フードとウィッグを外す。


『お前がこの場所で私の妹を殺したんだ。』


ドス黒い何かが私を包む。

目の前の男しか目に映らなかった。