『奈緒珠さーん!あれ?どこだ?』


園の中かと思ったのに見当たらない。


『あれ〜?鍵借りたいのに…。
このままじゃ見つかっちゃうよ!!』


幾ら私でも『神龍』全員で来られたら
ちょっとキツい。いや、ちょっとだけね。
あくまでちょっとだけだから!


園から出て外を見る事にした。


園の外に出ると
預けられた子供か捨てられた子供だろうか。


キャーキャー騒いでちょっとうるさい。

私がさっきまで寝転んでたのは
裏庭だったから静かだったけど
表はやっぱりうるさいな。


それにしても…多いな子供。

この中のどれだけの
子供が捨てられたんだろう。

捨てられた子供は親を憎んでいるだろうか。

私は…今は憎んではいない。
だって会った事もない人の事
なんてどうでも良い。

私には蒼空が居たから。
でも、それを『東条』が奪った。
だから許せないんだ。
アイツが今でも生きているのが。

まだ罪に問われていたら
どれだけ救われただろうか。


『…チッ…ここに来ると余計な事考えるな。』


早くここから立ち去りたくて
子供達から視線を逸らし奈緒珠さんを探した。