街を離れると
目の前に広がるのは広大な草原。

そこに私の「居場所」がある。


『……ただいま、蒼空(しえる)。』


ポツンとある墓石に声をかける。


『昨日は来れなくてごめん。
前、話した『双覇』達と一緒に居てね……。』


話し続けながら
カサブランカを花瓶に生ける。


『蒼空……私を恨んでる…??

父さんや紘にぃの力を借りれば
アイツらを見つけるなんて簡単な事なのに。

そうしない私は弱虫なのかな。』


答えてくれないと分かっていても
聞かずにはいられない事が次々出て来る。


『…最近、夢を見るの。

小さい私と蒼空が居て、
蒼空が血を流して倒れてる。

それを近くて私が見ていてね?

そしたら小さい私が私を見て
『お前のせいだ』って呟くの。

いつもその繰り返し。』


…蒼空、約束は絶対に守るから。

でも、少しだけ時間を頂戴。