8月、天気は晴天。
暑い日差しが、容赦なく俺達を照らす。

約束は叶った。
次は、何の約束を交わそうか。

俺は祈音の頭を優しくポンと撫でながら、マウンドへ向かった。

瞼を閉じれば思いだす。あの日、一方的に交わした約束と夕焼けのオレンジと重なるあいつの後ろ姿が。


もうすぐ試合が始まる。
俺はゆっくりと目を開いて、マウンドに立った。


広がっていく“今日”は、一体何色に染まっていくのだろうか。
まだ白いキャンバスを、色鮮やかに染めていく。それはまるで青春の1頁のようだ。

熱い炎が、俺の中で燃えている。その炎を包み、試合が開始された時間に俺はその炎を球と同化した。

第一球目、俺が投げたボールはミットにおさまり、審判の「ストライク」が聞こえた。



END