「こっちこっち」 小さな声でそう言いながら、手招きをする千夜。私は頷いて、足音を立てないようについていく。 私たちが3年間、通ってきた中学。 懐かしくて、自然と微笑んでしまう。 でも、夜に学校に来たのは初めてだ。緊張するな...。 「ここから入れるぜ」 「ここから?」 千屋が指を指したのは、どう見てもフェンス。フェンスの奥にはプールが見える。 まさか、ここを登るとか...?