「ありがとう」



空き教室まで送ってもらい、部屋の中に入る。



「最近はどう?おまじないの方は」



「うーん…不調なの」



紫藤くんは空き教室に入って、入口近くの椅子に腰掛けた。



「そか。先輩は西内と前より仲良くなれたみたい。ゆめたちゃんに感謝してるって」



「そうなんだ…」



うまくいってる人がいるなら、それを聞いてホッとする。



カズマとも別れちゃったし、西内さんとカズマのおまじないも効果がなかったよね。



全部、ただの偶然で…おまじないの意味なんて、最初からなかったのかもしれない。



「どした?元気ないね」



紫藤くんが心配そうに首を傾げる。



「なんだか、自信なくて。おまじない…不調だから」



一言では片付けられない。



もっと色々言いたいことはあるけど、紫藤くんに話しても困るだけだよね。