「ではそろそろ、おいとまします。
今日は長い間、ありがとうございました!」

リビングの入口でペコリと頭を下げる美空を、家族は本当に可愛い、といった顔で見ていた。

「いえいえ、また遊びに来てね、美空ちゃん!」

「優斗がいないときに来てくれてもいいよ?」

いや、それはダメだ、てかこの兄貴、何言ってんの?

「美空ちゃん、またお父さんとクイズしようねっ!」

だからもう、なんなんだこいつら。

「じゃあ、俺、送ってくから」

言って二人で家を出る。
美空は
「楽しかったねぇ」
と、隣で終始ニコニコしていた。


それから暫く、我が家では「美空ちゃんフィーバー」が続いていた。
全く、意味がわからない。