ごくり、と喉を鳴らす。 棒を握りしめる手は汗をかき、高まる緊張感で呼吸も鼓動も速くなっていく。 集中しなければ。目の前にあるそれをにらむようにジッと見つめ、ガチャンと金属の音が響いた刹那―― 軽快な音とともに、眼前の敵が動き出す。 ――今だ! 「もらったあ!」 私は手にした棒を思いっきりふりかぶると、勢いのままに目標目掛けて降り下ろした――。