美夜が振り向く
顔…思ったより近い
「ねぇ
そういえば聞くの忘れてた」
「何?」
「斗真は莉々花が言った許嫁の意味
何だか別の意味で捉えていたんだって?」
「ああ…うん」
「別の意味って何だったの?」
「…莉々花は
生まれは日本じゃなくて
ヨーロッパの方なんだ
だから莉々花は
最初の方カタコトの日本語で
イイナズケって言ったんだ
僕はその時
許嫁の意味が結婚相手だってわからなくて
イイナズケは向こうの言葉で
友達って意味なのかなって勝手に解釈したんだ」
「だから良いよなんて言ったんだ…」
「ちなみに許嫁が結婚相手だって意味って知ったのは
つい最近
樹に言われて初めて気がついた」
「そうだったの!?」
「縁がないからねぇそういうのは」
「そう言う問題じゃないでしょ!?」
「だから僕の勝手な勘違いだったんだ
莉々花にも美夜にも迷惑かけたね
ごめんね」
美夜は僕の腕の中で首を振った


