「お邪魔しまーす」


「おじさんとおばさんは?」


「まだ仕事だって」




萌は幼い頃から慣れている俺のベッドの上に座ると

真剣な顔で口を開いた




「最近美夜と白羽可笑しくない?」


「…萌も思った?」


「前はさ
白羽が教室に来ただけで
嬉しそうに黄色い声あげてはしゃいでいた美夜が

ここ最近は
『白羽来たよ』って言っても
『…あぁ…そう』
みたいな感じなんだよ!

あのふたり
絶対何かあったなって私は睨むんだけど」


「俺も可笑しいと思ってた

この間の音楽の時間の帰り道見たんだけど
黒木さん綺麗に斗真のこと避けていたんだぜ?

斗真が話しかけても何かよそよそしいし
他人行儀って感じで可笑しいなアレは」


「絶対佐木莉々花関係あるよね」


「ぜってぇある!」


「私の予想なんだけど
佐木さん美夜か白羽に何か言ったんじゃない?

それか両方に」


「近づくな…とかナントカ?」


「もしかしたら!
少女漫画あるあるだよ!」




俺は少女漫画など読まねぇから何とも言えないが

萌は家が潰れるんじゃないかと言うほど

多くの漫画――特に少女漫画を所持しているから

説得力があった