雪はいつの間にか雨に変わっていた。駐車場には水たまりがいくつもできている。
サービスエリアに入りバスは雪の町からの長い旅の疲れをとるように、ゆっくりとそのエンジンを止めた。
窓を開けると、温かい風が私を優しく包み、雨の匂いに混じって潮の香りが鼻の奥を掠めた。どこか近くに海があるのだろう。
休憩時間は20分設けられている。時計に目をやると、まだ実家までは2時間以上かかりそうだ。
長い物語を終え、疲れた目を休めようと、大きく一つ伸びをした。
少し歩こう。
そう思い立ち、ゆっくりと本を閉じた。
完
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