10. 目覚め 私が友枝に帰ってから2日が経とうとしていた。 何も変わっていない部分が、哀愁のような、愛おしくも切ない感情を呼び起こさせたが、変わって行く町にも少し驚きと切なさが混じっていた。 しかし、帰って来てからも、色々と面倒なことが続いて、少し憂鬱でもあった。 アクセルを踏み込みながら、奈留早で最後に由美子と話したことを思い出して、思わず笑みがこぼれた。 二度手間。 今の私の状況は、この言葉に尽きる。