「ほら、新聞しまって。」
朝食が出来ると、新聞を読まない。山崎家のルールだろう。
「いや、ホタルが。急にいなくなったぞ。二度寝か。」
「ああ、シャワーよ。」
テーブルにはお味噌汁の湯気があがる。
「朝から、シャワー。まさかっ、男でも出来たのか。なんだ、デートか。そのために帰って来たっ、」
興奮する夫に妻は新聞をハリセンのようにして、勢いよくそれを振り抜いた。すると、直ぐに収まったようだ。
「役場に行くんですって。」
「はい、役場ですね。すみません。」
夫はどうやら、妻の尻にしかれているらしかった。
私がシャワーを浴びて戻ってみると、小さく縮こまりながら目玉焼きを突いている父がそこにいた。
「何、お父さん。何か嫌いな具でもお味噌汁に入ってたの?」
「良いのよホタル。お父さんね、今朝から二日酔いなのよ。あなたも御飯でしょ。座って待ってなさい。」
そう言いながら母は御飯をつぎに行った。牛乳を飲みながら横目にうつる父をもう一度見た。
はて、昨日の夕食にお酒なんか出ただろうか。不思議そうに眺める私を見てくる父の目は、少し哀し気だった。
朝食が出来ると、新聞を読まない。山崎家のルールだろう。
「いや、ホタルが。急にいなくなったぞ。二度寝か。」
「ああ、シャワーよ。」
テーブルにはお味噌汁の湯気があがる。
「朝から、シャワー。まさかっ、男でも出来たのか。なんだ、デートか。そのために帰って来たっ、」
興奮する夫に妻は新聞をハリセンのようにして、勢いよくそれを振り抜いた。すると、直ぐに収まったようだ。
「役場に行くんですって。」
「はい、役場ですね。すみません。」
夫はどうやら、妻の尻にしかれているらしかった。
私がシャワーを浴びて戻ってみると、小さく縮こまりながら目玉焼きを突いている父がそこにいた。
「何、お父さん。何か嫌いな具でもお味噌汁に入ってたの?」
「良いのよホタル。お父さんね、今朝から二日酔いなのよ。あなたも御飯でしょ。座って待ってなさい。」
そう言いながら母は御飯をつぎに行った。牛乳を飲みながら横目にうつる父をもう一度見た。
はて、昨日の夕食にお酒なんか出ただろうか。不思議そうに眺める私を見てくる父の目は、少し哀し気だった。



