流れ星に4回目の願いを呟く時。

「あれ、ホタルは?」


 お父さんは休みの日でも早起きだった。昔は可愛い娘の為にと朝早くから私をよく銭湯に連れて行ってくれたが、今じゃその銭湯もスパに変わり、父の体型も随分とおじさんらしくなった。


「ここにいますよ、お父さん。」


 そんな変わり果てた父をよそに、私はTVから目を離さずに答えた。


「なんだ、いたのか。ホタルが土曜の朝に早起きなんて珍しいな。」


 この町を出る前までは、私は朝が苦手では無い少女だった。しかし例外があったとすれば土曜日の朝だろう。せっかくの休み。早起きは何とかの徳とは言っても、徳の高いお坊さんさんだって偶には嫌になる時があるはずだ。


 しかし母は今日も早起きして朝食を作っていた。まったく、感心させられる。


「ホタルも社会人だもんな。ああ、お母さんごめん、お茶もらえるかな。あと新聞。」


 朝のルーティンが始まったことで、父が洗面所での用事が終わったと確認出来たので、私は洗面所へ向かった。


「ありゃ、ホタルはどこへ行ったんだ。」


 新聞に夢中で、どうやら今ごろ娘が視界から消えていたことに気付いたらしい。