流れ星に4回目の願いを呟く時。

 川澄市市役所総務課の新人歓迎会はいつも、この春の海が凪を終えた時期に行われていた。


 青年は今年から、その会の幹事を任されている。後輩の彼女にも手伝ってもらいながら、やっと今日にこぎ着けた。


 人数がそこまで多く無いとはいえ、10数人規模の予定を合わせるというのは、至難の技だ。


「先輩、海を眺めるのも良いですけど、今日は親睦会なんですから、酔った勢いでまた係長と喧嘩しないでくださいね。」


 そう言い残して、彼女は奥の自分の席に戻り、いつもの様にパソコンを叩き始めた。


「分かってますよーだ。」


 聴いていないふりをしながら、実は聴いている。青年はそんな自分の少し澄ましたような態度が好きでは無かった。偉そうに喋ってしまう癖があったからだ。


 それでも青年はまた、青い空を映す海を眺めた。