流れ星に4回目の願いを呟く時。

 その思いは大学に入っても変わらず、日々の糧になった。町を出るときに見た、由美子の笑顔を思い出しながら、必死に勉強した。


「親父が倒れた。」


 ユウスケから連絡があったのは、町を出てから2年が経とうとしていた、海洋実習を目前に控えた夏の終わりだった。


 ユウキの父親は、もともと肺を患っていた。それが悪化したのが原因だった。


「親父、兄貴の名前を呼んでるんよ。」



 目の前にある海、その向こうにある彼女への想い。しかし、どちらが大切かなんて考えるような男を彼女は好いてくれないだろう。


 悩みを抱えたまま見る海は、もう諦めたらどうかと囁いているように思えた。


 ユウキは実習を取り止め、奈留早へ帰った。


 長い長い、家出だった。