流れ星に4回目の願いを呟く時。

 ユウキの家は奈留早でスキー場を経営していた。


 彼の父親は昔気質の、昭和の頑固親父のような人で、人不足と観光客の激減で経営が苦しくても、決してスキー場を手放そうとはしなかった。


 そのことでユウキと父親はよく言い合いになった。


 早くスキー場をたたんで、違う事業に乗り出すべきだと、ユウキは家のことを思って言っていたのだが、それを父親は気に入らなかった。


 子どもには分からん、と茶碗を投げ付け、そしてお決まりのように耳を塞ぐ。それに対抗して、ユウキは父親に暴言を吐き捨て、短い家出をする。


 しかし、ユウキは父親のことを恨んではいなかったし、もちろん父親もユウキの言っていることは理解していた。


 2人はよく似ていた。だからこそ、なかなかお互い折れられずにいた。


 高校卒業を控えていた頃、ユウキは長年の夢だった海の勉強がしたいと思っていた。しかし本心では、父親はユウキにスキー場を継いでほしいと思っていた。


 しかしここでもやはり2人の思いは交錯してしまい、喧嘩別れのような形で、それは少し長い家出になってしまった。