流れ星に4回目の願いを呟く時。

 カケルとの出会い、そして彼との接近は、あまりにも突然だった。


 山崎・本城最強コンビ。3年3組の体育委員は、いつからか、そう呼ばれていた。クラス分けが発表され、3年最初のロングホームルーム。そこで事件は起こった。


 思春期真っ只中の状態での、最初のクラスでの顔合わせ。誰もが緊張しながらも、簡単に済ませようとする自己紹介で、私は勢い良くヘマをしてしまった。皆を笑わせようとしたのだが、酷いダダ滑り。笑ってくれたのは真紀子くらいだった。


 しかし、それが逆に良かったとも言える。初めて同じクラスになった元気な男子グループが興味を持ってくれたらしく、3組にトンデモな女がいる。皆と打ち解け仲良くなるのに、時間はかからなかった。


 勉強はあまり出来ないし、手先が器用でも無かった。しかし、自負はしていなかったが、馬鹿に元気なことと、スポーツと足が速いことには少し自信があった。


 そんな一面を買われた所為か、私は迫る体育祭のクラス優勝のため、体育委員の1人に推薦された。そして、もう1人の男子枠。そこに選ばれたのがカケルだった。


 中学生活最後のクラス分け。ベテランとも新人とも言えない新担任の下、未だ男子と女子生徒達の垣根がクッキリとした教室を舞台に、ホームルームが行われる。

 思春期特有のぎこちない雰囲気の中で、クラス分けと委員会決めは、ゆっくりだが、着実に行われていった。

 そして、体育委員に選ばれた私は、ホームルーム翌日から、放課後の部活が始まるまでの短いようで長い時間を、カケルと過ごすことになった。