流れ星に4回目の願いを呟く時。

 私が本格的に思春期を迎えたことを実感したのは、本城カケルとの出会いがきっかけだった。


 もちろん同じ中学にいたわけだから、1年生の頃から、彼の存在について名前と風貌程度の知識はあった。


 バスケ部でレギュラーギリギリの私と、バレー部で名を馳せていたカケルは、近いようでかけ離れた存在だった。


 カケルは女子に人気があった。同級生の中では背が高く、色白の端整な顔立ちは勿論のこと、何より一緒にいるとそれだけで楽しくなるような存在だった。


 その為、女子の中では暗黙の了解のようなものが存在していて、例えば同じクラスであっても、カケルと5分以上2人きりでいてはいけないとか、、、。


 今考えれば、なんでクダラナイ。なんて、醜いルールだったのか。思い出すのも恥ずかしくなる。