流れ星に4回目の願いを呟く時。

 冬の仕事終わりの炬燵と、温かいココア。これに勝るものを私はまだ見つけたことが無い。


 炬燵にデーンと潜り込み、ココア片手にiphoneを覗き込む。これ以上の至福の時間は存在しない。


「お母さんは後回しと。」


 母親のライン通知を無視する私に、親を大切にしなさい、という苦言が出る事は承知している。しかし、もし分かってくれる人がいれば有難い。結婚適齢期の娘に対する母親の口煩さは異常なもの。


 良い加減な返事をすれば怒られるので、その返事を考えるのは、夕食の献立を考えるほどの面倒な作業だ。


「真貴子か。」


 真貴子さんからのメッセージがあります。そんな緑色の通知を慣れた手付きでスワイプする。どうやらクリスマスに中学の同窓会を行うらしい。


「クリスマス会があるから無理ね。」


 真貴子は小学校の頃からの親友だった。お互いのことはほとんど知っていた。好きな色、給食のメニュー、得意教科、そして私が好きだった人を。