でもこの匂い 少しシトラスの入ったこの匂い 私の大好きな温もりだった 「翔ごめん、やっぱ無理だわ 凛はだめ、凛だけはだめだ」 啓哉は苦しそうに言った 私は完全に啓哉の胸の中で表情が読めない 「俺さ、本当は恋するのが怖かったんだ また裏切られるかもって だから、なかなか踏み出せなくて 中途半端に凛を傷つけた だから俺はこんなこと言っていい資格なんてねーのかもしんねーけど」