あの日、未菜が事故にあったあの日から毎晩夢を見る。



夢の始まりはいつだって未菜が教室から飛び出す瞬間から始まる。



俺はあの日のように追いかけるんだ。

走って、走って、走って。

息が苦しくなっても走り続け、未菜を追いかける。



あと少しで追いつきそうになると、未菜は必ず俺の方を向く。



そして1度微笑んだ後、俺を睨んで言うんだ。



『最低ね』



って。



そんな未菜に俺は泣きながら謝る。

土下座だって、なんだってした。

藁にもすがる思いで必死に何度も謝った。



だけど未菜は、いつも俺の目の前で事故に遭う...



出来れば2度と見たくない場面。

でも絶対に忘れてはいけない場面。