その日の放課後、俺は未菜を待つわけもなく帰ろうと昇降口に足を運んだ。



「りゅーちゃん!!」



昇降口では俺のことを待っていたらしい未菜が俺の前に現れた。



「...」



「...その...この間はごめんなさい」



未菜は目をうるうるさせて謝る。



「...別に」



「...りゅーちゃ「あのさ」」



未菜の言葉を遮った。



「翼学校にいないんだけど。翼のこと知ってたわけ?」



もしかしたら...って思ったけど。

そう聞いた時の未菜の顔はたいして驚いた顔もせず、俺から視線を逸らした。

その反応が答えなようなものだった。



「知ってたんだ」



俺には言えなかったけど、未菜には言える。

所詮はそんな関係だったんだ。



「お前ら最低だな。コソコソしてさ、俺のことをどうせ笑ってたんだろ」



低い声でボソッと呟いた。

もう、こんなヤツらに怒鳴る気にもならない。